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『I LOVE YOU TILL I DIE』発売記念 質問ブログ回答編(完全版)24.あきこさま

村上さん、こんばんは。
さよならパリス、1stフルアルバム発売、おめでとうございます。新宿でのライブ、楽しみにしております。

聞きたい事は山ほどあるのですが、何度書き直してもしっくりこなくて....ありきたりかもしれませんが、村上さんにとって音楽とはなんですか?思い出の1曲も、教えていただけると更にはっぴーです。

私にとって村上さんの音楽たちは「22歳の日々」です。濃すぎてよく分からないくらい思い出のあるあの頃の生活を、恋愛を、友情を、すべて思い出せる秘密兵器です。
人生最後のライブでひっそりとコピーした曲が「浮雲」でした。それをお伝えするのが精一杯なくらい、村上さんの音楽たちが本当に大切です。

これからまた寒く、たばこの美味しい季節がきます。どうぞ、ご自愛くださいませ。


| あきこ | 2016/08/31 7:31 PM |




あきこさま

お世話になります。村上です。

あきこさまから頂いたコメントを見て、
胸の奥がじっくりと温かくなるような
気持ちになりました。
僕たちが作った音楽の中に
大切な青春時代を詰め込んで頂いて、
ありがとうございます。
秘密兵器、素敵な表現ですね。
そういえば
コメントを読んでいて、
「そういえば同じような経験があるな。」
と思い出した話があります。

The Album Leaf /Soul Beach EP『Bernnivin』

ある時、
とある知人が出演する野外のフェスに
1人で見に行ったことがありました。
彼女は当時想いを寄せていた人と言いますか、
付き合うまでには至らなかったけど、
生まれて初めて超ド級の失恋を味わった
そんな人です。
その時はまだ普通の友人関係でした。
あの日、
彼女にただ会いたいだけで、
別に見たいライブも
行きたい場所でもありませんでしたが、
1人で彼女目当てに山の山奥まで
フェスを見に行きました。
確か1つの学校敷地を貸し切ったフェスで、
かなりの地方での開催だったので、
多分、
全体動員で100人もいなかったと思います。
彼女のライブが終わった後は、
ほぼデートみたいなもので、
屋台を覗いて焼き鳥を食べたり、
他の人のライブを見てみたり、
そんなことをして過ごしていました。
夕方くらいになり、
体育館の小さなスペースで
足の指圧をしていることを知った彼女は、
「ちょっとやってくる。」
と言い残し、
僕を置いて指圧をしに
1人でブースの中に入って行きました。
「ははは、
ほんと相変わらずマイペースだよな。
やってきていい?じゃないもんな。」
そんなことを考えながら、
やることもなく、
暇を持て余して
体育館の床に寝そべり、
何となく館内を流れるBGMを聴きながら、
これからのことを考えていました。

気持ちを打ち明けるのか、
打ち明けてこれから今までのような関係が終わるなら、
何も言わずに今までのような関係を作っていったほうがいいのか、
いや、
でもこんな山の奥まで1人で来るくらいだから、
さすがにもう気がついているような、
いやいや、
ハードル高すぎるよ、言えるのか?
「今日打ち上げあるし帰れないでしょ?
俺も泊まろっかな。」
とかさりげなく言っちゃう?
つかさ、
言ってこんな隔離された環境で
断られたらどうするの?
だって
彼女はただ羽を伸ばしにここに来ただけなのに
僕がただ勝手にひっついて来て、
そこにわざわざ水を差すような真似をする必要があんのか?
いやでも、
いやいやでも。

そんなことをぼんやりと考えていた時に
流れて来たのがこの曲です。
The Album Leafのこの曲は知りませんでしたが、
The Album Leafは全曲歌があるかないかだけの差であって、
基本的には同じだからすぐに分かりました。
好きだからこそこういう表現をするんですが、
プロミュージシャンが
本気で作った病院の待合室の打ち込み音楽です。
眠る前、
朝起きた時、
街を歩いている時、
本を読む時、
1人でいる時に合わないシュチュエーションはありません。
ある意味で世界最強のおひとりさまの為のBGM。
現状を邪魔しないで、
そっとただ寄り添ってくれるような
The Album Leafはアーティストです。
「これ、多分、アルバムリーフだろうな。」
この曲をぼんやり聴きながら、
体育館の天井を眺めて、
「あっ、
あんなとこにバレーボール挟まってる。
はは、体育館あるある。
とりあえず帰って来たら教えよう。
まあ、なるようになるよ。」
と1人思っていました。
この曲を聴くと今でも彼女を待ちながら、
あの体育館の中で
ただ寝そべっていた時のことを思い出します。
この曲を聴きながら目を瞑ると
今でも体育館の中にいるような
そんな気分で、
甘酸っぱく気恥ずかしいあの時のことを
過ぎてしまった今となっては、
優しい気持ちで見返しています。
結局、
僕にとっての音楽は
あきこさま同様、
思い出を真空パックしておいてくれる
秘密兵器でもあるんでしょうね。
そして彼女との出来事は
『東京サーモグラフィー』
に変わりました。
自分が作った曲は
思い出をこっそりと人知れず真空パックした形です。
そしてあきこさまは
その僕の真空パックした音楽の中に
また違う思い出を真空パックしてくれている。
こんな嬉しいことはありません。

せっかくなのでもう少し馴染みのある音楽の話を最後にさせて頂きます。
こんな僕が打ち込みを聴くきっかけになるのは、
やはり高校生の頃に聴いた
くるりの『ばらの花』でしょう。
この曲の存在が
僕の音楽の幅を広げ、
洋楽しか聴いていなかった僕に
「日本語の音楽っていいな。」
と思わせてくれた最初の曲だと思います。
カウントダウンTVのランキングで
ワンコーラスだけ流れたサビのフレーズを
忘れないように繰り返し歌い、
次の日、
授業中も小さな声で歌っていたので、
隣の女子に怒られ、
学校が終わった後、
近くのCDレンタルショップで
『TEAM ROCK』をレンタルしてきました。
あの曲があったことが
The Album Leafに繋がり、
彼女と出会い、
その出会いを今でも綺麗なままで残してくれている。
さらにあきこさまに僕は出会いました。
そう思うと出会いとは不思議ですよね。


コメント、ありがとうございました。


またお会いできる日を楽しみにしております。




村上

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