硝子戸の中

フィクションダイアリー
明日、照らす以外のライブ
2019.7.26(金)
吹上 鑪ら場
18:30開場 19:00開演
チケット ¥1800(+ドリンク代¥500)

出演
町田直隆
鈴木実貴子
久世悠喜
さよなら三角

2019.08/12 (月)
Bacon BEST ALBUM Bast of Bacon レコ発『青春は返り咲くTOUR 2019 名古屋編

開場 17:00 / 開演 17:30
前売 2500円 / 当日 3000円(D代別途500円必要)

Bacon
soratobiwo
リフの惑星
wonder of hippos
さよならパリス(明日、照らす/Climb The Mind)
CRAZY興業


各チケット予約
goodbyetriangle@gmail.com




直近のライブ予定です。
あと明日、照らすと!
是非来てね。
よろしくお願いしまーす!
| - | 09:13 | comments(0) | trackbacks(0) |
弾き語りライブ予定 6月
6/9(日)たたら場にて

田中外(muuka)
日向文
さよなら三角(明日、照らす/さよならパリス)

18:00/18:30
1800円(D別)



http://tataraba-live.com
チケット予約
goodbyetriangle@gmail.com


てんこさん(Quatrefoil Records)から
「村上くんの弾き語り、
ツイッター見てないとライブ予定を見逃すよ。」
と言われたのでこっちに書くますけど、
書いたからには皆さん来てください。

| - | 22:13 | comments(0) | trackbacks(0) |
THE BOYS OF SUMMER
明日、照らす
ニューアルバムレコーディング日誌
20190424



今日は柴山社長(ONE BY ONE)との打ち合わせだった。
今池のガストに集まり、
これからのこと、
これまでのことを清算する話し合い。
ばんはギリギリになって結局来なかった。
忘れてるのか、
覚えていて
そんなに楽しい話にはなるはずもないので
来たくないのか、
理由は分からないし、
分からなくもないが、
結局そういうとこは
僕がやらなきゃダメなんだろうなと思った。

今年の3月に
「年内にフルアルバムを出そう」
と社長と電話やメールでのやりとりはしていたけど、
会うのは久々で第一声なんて声を掛けていいか分からなかった。
社長もそんな感じで、
「どのタイミングで辞めてんだよ!」
と言われるだろう感じも正直想定はしてただろうけど、
「結局、どうします?」
と開口一番で淡々と話し出した僕を見て、
多少は面食らったんじゃないかな。
努めて冷静に話そうと思ってたし。
アルバムを出すことが決まってから、
社長と話していく中で
ある日突然「やっぱ無理だ。」と連絡が来て、
来る時が来たなと思ったのが
最初の個人的な感想だった。
あの人はノーが言えないタイプだから、
ギリギリまで言えなかったんだろうなと思う。
別に今となっては無責任だとは思わない。
今回の件に関しては
誰が悪いとかではなく、
お互い友達から全てを始めて、
友達のままで来てしまった部分と
友達のままではもうどうしようもない部分と
大人になれなかったことと
大人になってしまったことと
なんかそんなような事が理由なんじゃないかなと思う。
『あなた』が出て6年、
社長も家を買い、
子供も産まれて、
会社に所属していた
2YOU MAGAZINEを個人事業主で始めるにあたり、
本当に笑い事じゃ済まないレベルの
自他共に本当の社長になってしまって、
正直、
レーベルどころじゃないよなという気持ちは分かる。
単純にこれ以上は他ごとに時間やお金を掛けられない。
ただあの人も未練はあって、
多分
「もう一回だけやりましょうよ。」
と押したらいけるだろうなとは思ったけど、
もうこれ以上は付き合わせられないなと思って言えなかった。
続けるのもしんどいし、
やめるのもしんどいし、
どっち選んでもしんどいなら、
ここで辞めさせてあげるのが友達としての優しさな気がする。

そんな話をしながら
「この前、
明日、照らすのレコーディングに
てんこさん(Quatrefoil Records)がレコーディングの写真をあげていて、
自分で辞めるって言ったくせに
それを観た時、
こんな、
こんな気持ちになるなんて思いもしなかった。」
といきなり目の前で周りの目もはばからず泣き出して、
僕もどうしていいのか分からなかった。
周りから見たら
今なんかドラマとかで同性愛流行ってるし、
別れ話を切り出しているかのよう見えただろうな。
例えば僕もバンドを辞めて、
ばんが誰かとバンドを始めて、
そんな写真を観たら同じような気持ちになるんだろうか。
きっと20代前半から
今まで家族や恋人よりも
苦楽を共に濃く長く過ごした誰が
自分とは違う新しい誰かと
同じような経験をしていくことを思うと
なんか急にひとりぼっちで置いてかれてる
みたいに思うだろうね。
さよならだけが人生だ。
つまりそういうこと。
そういうのの積み重ねで今まで来たし、
これからもそうやっていくんだろうし。

別れ際、
「俺、
「あの時ONE BY ONE辞めて良かったです。」
って言えるように頑張りますから、
引き継ぎだけで
あとのことは何にも気にしないでください。
だから社長も
「あの時、
友哉に偉そうな事言われたけど、
ちゃんとここまでなれたよ。」
って言われる日を待ってます。」
と最後にまた偉そうな事を言って別れた。

これで踏ん切りがついたから、次にいける。
レーベルは探すのか、
別に最後は自分でやればいい。
そうやって今までやってきたし、
これからもそうやっていこうと思ってるし。
まずはレコーディング。
家に帰ってギターの練習をする。
この前録ったベースとドラムのテイクに合わせて、
ひたすら自分で作った
ギターのフレーズを
一つ一つ潰すように練習していく。
いつも通りの毎日。
今はただやれることをただやる。

ただギターを弾きながら
ずっと思ってたんだけど、
さよならだけが本当に人生なんだったら、
俺は人生なんか大嫌いだ。

| - | 17:10 | comments(4) | trackbacks(0) |
STAY CRAZY/FOREVER LOVE final『エド・ウッド』
『エド・ウッド』
〜史上最低の映画監督エド・ウッドと、
それよりヒドいキワモノ見世物映画の
すべてを網羅した
日本最初のガラクタ映画大全集〜(1995年)
はじめに
エド・ウッドなんてマシなほうだ!
映画生誕百年?
どうせまたマリリン・モンローとか
チャップリンだろ、ケッ。
なーんてツバを吐いていたら、
“映画史上最低の監督”
『エド・ウッド』の日本上陸だ。
こりゃめでたい。
というわけで、
エド・ウッドと、
彼が一生を捧げた
「エクスプロイテーション映画」についての本だ。
だけど、
「エクスプロイテーション」というと、
どっかのバカがまたオシャレなモノとカン違いしそうなので、
ここではあえて「サイテー映画」と呼んでみた。
何が最低かって、
まず作り手の意識が最低。
なにしろ、
Exploitってのは
「頭の悪い奴から金を搾り取る」という意味だ。
(中略)
この百年間に全世界で作られた映画の99.9%は
「サイテー映画」なのだ。
「映画が好き」と言ってる奴らのほとんどが
最上段の「イイ映画」だけしか見ていない。
丘の上の名所しか見ない観光客と同じだ。
眼下に広がる巨大なスラムを見てから言え!
町山智浩
何年か前、
たまたまBOOK OFF熱田店で手にした
この本をここまで立ち読みして、
僕は何度も吹き出しそうになるのを
グッとこらえていた。
こんな言葉使いで、
ここまで人をこき下ろしている本が
出版社から発売されて、
この世の中に存在していることが信じられなかった。
当時はエド・ウッドが誰かすらも
全く分からなかったが、
そんなことはもうどうでも良かった。
ただこの本の世界観に触れたくて、
ここまで言われてしまう
エド・ウッドが何者なのか知りたくて、
そのままレジへと向かった。
エド・ウッド。
世界最低の映画監督として、
今でもカルト的な人気を誇る映画監督。
才能もなく技術もない上に
お金も全くないが
ムダに女装癖があり、
何よりも自分は世界最高の映画監督だと信じてやまないエド・ウッド。
確かに彼が監督した世界最低映画として名高い
『プラン9・フロム・アウタースペース』(1959年公開)
を初めて観た時は
本当に自分の頭がおかしくなったのかと思った。
元々、
『プラン9』は
エド・ウッドの知り合いの中で
もっとも著名な俳優であり、
友人だった
ベラ・ルゴシと違う映画用に撮っていたフィルムが
ベラ・ルゴシが死んだことで余った際、
「これを使って、
『ベラ・ルゴシ 最後の作品』
として売り出したらヒットするんじゃないか?」
という思いつきから、
なぜか
「宇宙人が墓場から死者を蘇らせ、地球人を襲う」
というよく分からないストーリーを考え出し、
仲間を集め、
住んでいた家の大家を出資者として
お金を巻き上げて、
映画の撮影を始めた。
そんなきっかけでできた映画なので、
撮影時間の都合で
何の説明もなく
シーンの途中から昼と夜が切り替わったり、
一応SF映画になるが
円盤や墓石などの小道具は全て段ボールで、
何よりも酷いのは
ストーリーとして必要だった
ベラ・ルゴシの追加シーンに代役を立てたが、
それが別人なのが丸わかりで、
この本を読まずに観たら、
ストーリーも含め、
この同じ役を違う俳優がやっている意味が分からず、
序盤で観るのを断念していたくらいの出来栄えだった。
オーソン・ウェルズに憧れ、
彼の真似なのか、
金銭的な問題か、
製作、監督、脚本の全てを彼が一人で担った
エド・ウッドの作品は
基本的に
ストーリーが破綻しており、
カット割りも酷く、
映画として全く面白くない。
それでもなぜか
エド・ウッドの関連の作品は一時期よく観ていた。
『怪物の花嫁』
『グレンかグレンダ』
『死霊の盆踊り』
もちろん観ても
「酷い映画だなあ。」
と一人でゲラゲラ笑うだけで、
少しも面白いとは思えなかったが、
作品にはどこか憎めない
映画に対する情熱と愛情が感じられたので
好きだった。
エド・ウッドは
幼い頃から16ミリカメラで
自主映画を撮るほど
とにかく映画が好きで、
「自分もいつか最高傑作を作るんだ」
という情熱だけはいつでも持っていた。
ただ残念なことに
彼には才能と技術が足りず、
生前評価されることは一度もなかった。
しかし
没後、
彼の再評価に一役買ったのは、
まさかの
『シザー・ハンズ』や
『アリス・イン・ワンダーランド』
などの作品で有名なティム・バートンで
こんなトホホなエド・ウッドの生涯を
映画『エド・ウッド』
としてジョニー・デップ主演で製作し、
見事エド・ウッドの名を
世界中の人達に知らしめることに成功した。
ティム・バートンは
『エド・ウッド』についてのインタビューで
「エド・ウッドはアメリカでは
一種のカルトな存在になっている。
みんなそれを観てはゲラゲラ笑う。
たしかにすごいし、
おかしいんだけれど、
それでも彼には歪んだ詩みたいなものがある。
だからぼくはできるだけ彼を笑いものにはしないようにしたんだ。
ある意味では彼を理解できる。
(中略)
ぼくは彼にすごく近いものを感じている。
成功と失敗のあいだ、
才能と無能のあいだにはほんの僅かな差しかないんだから。
そのどちらに転ぶかは、
みんなが思っているよりずっと僅かな差なんだ。」
と語っていた通り、
ティム・バートン自身が
自分も元々は監督を志した一人の人間として
エド・ウッドを通して、
映画監督と夢について
振り返っているような内容だったのが印象的だった。
映画『エド・ウッド』のラストシーン、
周りからあれこれと口出しをされ、
映画の撮影に煮詰まったエド・ウッドが
撮影所を抜け出し、
とりあえず駆け込んだバーで、
彼をここまで映画に取り憑かせた張本人である
オーソン・ウェルズにたまたま出会う。
オーソン・ウェルズはもちろん彼のことは知らない。
彼は自分が大ファンであることを告げ、
今の現状を話し、
オーソン・ウェルズに助言を求めると
「夢のためなら戦え。
他人の夢を撮ってどうなる?」
とアドバイスされ、
彼はまた目を輝かせながら撮影所へと帰っていった。
この映画は
基本的にはノンフィクションで
僕が読んだ
『エド・ウッド 〜史上最低の映画監督〜』(1995年)
に出てくるエピソードが
割と忠実に再現されていたが、
このシーンだけは実際には全くなく、
完全なフィクションではあったが、
たとえフィクションの中であっても
エド・ウッドにオーソン・ウェルズを会わせてあげたかった
そんなティム・バートンの心意気には思わず涙が出そうになった。
もしかしたら
彼は才能や技術には恵まれなかったが、
世界中の映画監督の誰よりも
人として愛される才能を持っていたのかも知れない。
話は少し変わるが、
エド・ウッドをはじめ、
映画監督なら
ロジャー・コーマンや
ロイド・カウフマンもそうだが、
小説家なら
チャールズ・ブコウスキー、
ハンター・S・トンプソン、
日本だと
山田かまちや鈴木いづみのような
そういうヤバイ人たちに出会うと訳もなく嬉しくなる。
自分がなりたかった
狂人ギリギリの感覚と
表現への歪んだ情熱と愛情を持ち、
常識を脱した生き方を貫いた人たちに出会うと
いつでも年甲斐もなくワクワクしてくる。
いつでも僕は彼らのような存在を探してる。
だから
最近では
僕はサブカルチャーが好きなのではなく、
彼らのような存在が
音楽や映画、小説の中では
いくつもの年月を越え、
どこかの時代の誰かがちゃんと見つけられるように
色あせることなく生きていてくれているから
好きなんだと思っている。
人からよく
「なんでそんなこと知ってるの?」
だったり、
「なんでそんな音楽聴いてて明日、照らすやってるの?」
と言われることがある。
正直、
興味がないことは知らないことの方が多いし、
もし仮に詳しかったとしても
自分では
「広く浅いだけで中身はない」
と本音では思っている。
狂人に憧れただけのただの凡人が
特出した個性がない分、
知識で武装しているだけなので、
「浅はかだなあ。」
と自分でもよく思う。
ただ1つ誇れるものがあるとするならば、
情熱や愛情だけは常に持ち続けてきた。
好きになった監督、俳優、女優がいたら、
世に出た作品を軒並み観てみたり、
彼らが影響を受けた作品や役者がいるのであれば、
知った時点でそれも必ず見るし、
原作も読んで映画と見比べたりもする。
好きになったアーティストがいたら、
そのリリースされた作品を順番に一通り聴き、
中でも特に好きな作品があれば、
いくらでもApple Musicで聴けても
お金を出してCDやLPで
ちゃんと新譜で買うようにしている。
アーティストにお金がまわるように
また次に素晴らしい作品を作ってもらえるように
少しでも投資したい。
そういう気持ちだけはいつでも大切にしてきた。
だから
偉そうなことを言うようだが、
サブカルチャーに情熱や愛情を持っていない奴は、
すぐに分かる。
僕の場合はやっている分、
特に音楽についてになるが、
たまに情熱や愛情を全くもって接していない奴がいて、
目に余ることもある。
コレクションしたいのか、
とりあえず名前だけ寄せ集めて
形を整えたいのか知らないが、
あなたですら特に愛情を持ってない相手を
情熱もなく寄せ集めて、
組んで、
とりあえずやらせて、
何がしたいのか俺には全くよく分からない。
本当に俺の音楽を聴いたことある?
それすら疑わしい。
言わせてもらうが、
俺たちはポケモンじゃないんだから。
そこは売れてる、売れてないは関係ない。
そんな人に敬意のない行動は
単純に相手にも伝わる。
だから俺はいつも不快だった。
もし
「音楽に情熱と愛情を持っている」
と言い切るなら、
一回くらいは金払って、
時間作って誰かのライブを観に行け。
基本に戻れよ。
話はそれからだろ。
ただ
申し訳ないが
いつか色あせていくであろう存在に
俺は全く興味はない。
追記
村上友哉コラム『STAY CRAZY/FOREVER LOVE』、
長らくご愛読頂き、ありがとうございました。
このコラムで第1部完とさせて頂きます。
またどこかでお会いできる日を
楽しみにしております。
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STAY CRAZY/FOREVER LOVE 13『仲村みう』
『仲村みう』
先月、1人で大阪を旅してきた。
当初の目的はThe album leafの単独公演を観に行く事だったが、
日程的になんばグランド花月であった
ダイアンの単独ライブも
2日間大阪にいたら観に行けそうだったので、
両方チケットが取れたこともあり、
いきなり決まった三日間の小旅行。
こうやって
最初の目的地と最後の目的地以外は
特に予定を決めず、
ただブラブラと過ごした旅行は初めてで、
大阪の知人にも連絡をしずに
ただ1人やりたいことだけやろうと決めていた。
振り返った際、
三日間の思い出は色々とあるが、
やはり一番思い出に残っているのは、
東洋ショーになると思う。
東洋ショーとは
大阪にある老舗のストリップ劇場のことで、
二日目の夜に
カプセルホテルのベッドで横になりながら、
「NGK(なんばグランド花月)まで、
明日はどこに行こうかなあ。
てか大阪ってストリップあるのかな?」
とふと思い立ち、
ケータイで調べていた時にたまたま見つけた。
過去にビートたけしや渥美清、
コント55号などの芸人や役者たちが
浅草にあったストリップ劇場・フランス座で
ストリップの合間に
コントや漫才をして芸を磨いていたという話を知ってから、
「きっとストリップには
芸事の根元があるんだろうな。」
とずっと興味はあったが行ったことはなかった。
運良くこの日はかなり知名度のある
元AV女優も
引退前最後の遠征興行として出るらしい。
浅草のロック座(ストリップ劇場)を調べた時、
6,000円くらいの記憶があったが、
東洋ショーの料金は3000円と
大阪では浅草の半額以下で観覧できることを知って、
興味に拍車が掛かり、
「これはまじで行くしかない!!」
と1人カプセルホテルの個室で
息巻きながらも
一先ず明日に備えて眠りについた。
翌朝、
三日目はカプセルホテルから
チェックアウトしなければならなかったので、
CDやLPに本など
来た時よりも手荷物がかなり増えてきていたこともあり、
まずは難波駅でコインロッカーを探し、
身軽になってから、
東洋ショーが開場するまで
ディスクユニオンで買い物でもしながら待とうと梅田駅を目指す。
ディスクユニオンに着き、
買い物の時間を逆算するために
東洋ショーの場所を調べると
どうやらここから歩いて
30分くらいの場所にあることが分かった。
ディスクユニオンを出る頃には
またCDやLPを買い過ぎた為、
手持ちが財布の中にあと5,000円しかなかった。
「入場料3,000円だし、
結構今日まででお金も使ったし、
まだお金は降ろさなくてもいいか。」
電車賃の節約も兼ね、
また欲しいLPを買えて気分が良く、
天気も良かったので東洋ショーまで歩くことにした。
東洋ショーは勝手にGoogleマップの位置関係から
天神橋筋商店街のど真ん中にある気がしていたが、
商店街を抜けた
街並みの外れの場所にあった時は少しだけホッとした。
ディスクユニオンのビニール袋をぶら下げ、
マスクをした男が
こんなに天気のいい日曜日の真昼間から
ストリップ小屋に入って行くところを想像すると
自分でもさすがに
独身を拗らせてるなと思ったが、
はたから見れば
場所は全く関係なく、
独身を拗らせていることには変わりなかった。
開演30分前くらいに着くと
入り口で
再入場が可能なことを知り、
「とりあえず下見に。」と中に入る。
ストリップ劇場の制度は知らなかったが、
基本的には一回入場料を支払うと
同じ出演者による
一日5公演全てのショーを観覧できるらしい。
東洋ショーは
外から見ると
青一色に塗られた看板が
地方のビジネスホテルのように見えたが、
長い階段を上って中へ入っていくと
ロビーは中国のどこかの何かを
モチーフにしているような
薄暗く真っ赤な内装に
中華風の行燈が並び、
壁画に黄金の龍が描かれ、
お店の受付や売店で働く女の人たちは
もれなくチャイナ服を着ていて、
地方の中華料理店のような雰囲気だった。
お店の名前である東洋に掛けたのか
その真意は分からないが、
出来た当時はおそらくこれがモダンだったんだろう。
しかしまだ開演していないのに
ロビーには開演までの時間を持て余したかなりの人が待っていて、
出で立ち、顔付き、年齢層の高さ、
集まる人たちの誰を見ても確実に
元AV女優目当てのお客さんが大半な空気を察し、
「席取りだけして今ロビーにいるんだろうなあ。
このままだと座って観れなくなるかも。」
と当初は下見ではあったが予定を変更して、
僕もとりあえず席を取ることにした。
東洋ショーのロビーすぐ隣にあるフロアに入り、
客席を見渡すと
ステージから伸びた花道を囲むように
固定された席が三列ずつで5箇所に設置してあった。
ライブハウスの薄汚い環境には慣れているので、
あまり気にならなかったが、
1964年創業の名に恥じない
なかなか歴史を感じる店内で
元AV女優目当ての一見さんたちには
マスクがないと呼吸すらできなさそうな粗悪な空気があった。
「どっかで見たことがあると思ったら、
床の感じが今池HUCK FINNと同じだな。
でもあそこって1964年創業だったか?」
そんなことを思いながら一人でくすりと笑った。
最前列は埋まっていたので、
ステージ向かって左側三列目の席に
さっき買ったユニオンの袋で場所取りをすると
またロビーに戻り、
「せっかくだから。」
と景気付けに
ドリンクカウンターで缶チューハイを買って
1人で飲んでいた。
あとになって理由は分かったが、
ロビーには所狭しと沢山の人がいるのに
不思議なほど僕以外は誰もお酒を飲んでいなかった。
しばらくショーが始まるまで、
席に座り、
買ったばかりのレコードを眺めていると
フロアの明かりが消え、
簡単なショーの観覧ルールを伝える動画が流れたのち、
ショーが始まった。
1人持ち時間は約20分程度。
意外だったが
踊り子さんたちは
初めから裸に近い姿で出てくるわけではなく、
最初はほぼ露出のない衣装を着てただ踊り、
少しずつ服を脱いでは
何度かステージからはけて衣装を着替える度、
徐々に露出度の高い姿になっていった。
何よりも一番意外だったのはBGMで、
イメージでは三味線のような
和風のインストゥルメンタルか、
クラブの様なユーロビートに合わせて、
踊り子さんが踊ると思っていたが、
意外にもAKB48やきゃりーぱみゅぱみゅのような
割と最近の楽曲が中心に使用されていて、
また歌ありの曲がほとんどだった。
おそらく踊り子さんが
自分で曲を選べるのであろう、
中にはなかなか個性的な人もいて、
三上寛のようなかなり前衛的な弾き語りの曲に合わせて踊っていた踊り子さんもいたら、
70年代アイドルの曲ばかりを流す踊り子さんもいたりと
そのセンスに何度か度肝を抜かれた。
AKBやきゃりーぱみゅぱみゅの曲だと
曲自体に振り付けがある分、
踊りを考えるのも
また原曲を知っている分、
見ているお客さんをのらせるのも
比較的簡単だと思うが、
弾き語りで踊りを付けた踊り子さんの姿勢には、
「どうせ脱ぐのになんでわざわざ服を着替えるんだろう。」
と当初は疑問に思っていた自分が恥ずかしくなった。
ただ
僕も含めてだが、
元AV女優目当てのお客さんが多かった分、
おそらくストリップに
場慣れしていないお客さんが多かったので、
変なタイミングで手拍子が起きたり、
服を脱いだタイミングで起こる拍手がまばらだったり、
ステージ慣れしている踊り子さんになればなるほど、
やりにくそうではあった。
とりあえず場の空気を乱さないように
周りを伺いながら、
僕もずっと拍手や手拍子をしていた。
「それではここからはオープンショーでお楽しみ下さい!」
1人目の踊り子さんがステージを終えると
女性のハキハキとした声で
店内アナウンスが流れ、
さっきまで煌びやかな衣装を着て踊っていた
踊り子さんが
素肌に自分の名前が書かれたハッピを着ただけの状態で出てきた。
「オープンショーってなんだ?」
そう思いながら見ていると
踊り子さんは客席を見渡しながら、
自分の体を使って客席にアピールをし始め、
客席の所々でお客さんが
千円札を2つに折り、
縦長にしたおひねりを踊り子さんに直接手で渡し出した。
「オープンショーって、
おひねりをあげる時間なんだ。
おひねり料があるから
入場料があんなに安かったのかな。」
そんなことをふと思いながら、
周りの様子を眺めていたが、
思いの外、
ここでもあまりおひねりをあげている人がいなかった。
僕も剛に入れば郷に従おうと
財布を見たら入場料と缶チューハイを飲んでいたので、
1,500円しかなかった分、
1人しか渡せなかったが、
客席から身を乗り出し、
見よう見まねでおひねりを一回だけあげた。
踊り子さんと目が合うと
「ありがとう。」とにっこり笑ってくれて、
ちょっと嬉しかったと同時に
「あの時、
お金を降ろしておけばもっと楽しめたなあ。」
と少し後悔した。
踊り子さんの3人目と5人目が踊った後、
撮影タイムがあった。
一回500円支払えば、
着衣かヌードで好きな方を選び、
お店が用意したカメラで撮影ができるらしい。
撮影タイムが始まる度、
周りを見ていると
各自踊り子さんの前に長蛇の列が出来ていて、
ここでようやくみんなが
他でお金をあまり使わない理由が分かった。
この撮影タイムまで無駄な出費を抑え、
お金を残していた。
見ていると
オープンショーでは
体すら起こさなかった人たちが
おそらくお目当ではない踊り子さんたちにも
1人につき1枚ではなく、
平気で2.3枚ずつ撮っている。
「おひねりしないなんて、
いい歳してなんてケチな人が多いんだろう。」
と思っていたがそういう訳ではないようだ。
確かに
ただの缶チューハイで500円払うくらいなら、
おひねりの1,000円を一回あげたところで
踊り子さんが体を揺すりながらにっこり笑ってくれるくらいなら、
形として残るものがいいという気持ちも分からなくはないが、
なんかこういう場所で
そういう現金な考え方って嫌だなと思った。
この撮影タイムは観客の休憩時間も兼ねていて、
3人目の後にお手洗いへ行くと
受付で軽い人集りが出来ていた。
受付のお姉さんに向かって、
数人のおじさんたちが不機嫌そうに何かを話している。
お姉さんを囲んでいるのは
おそらく全国津々浦々と元AV女優を追いかけてまわる
親衛隊のような人たちなんだろう、
明らかに荷物の量からして、
県外から遠征してきた感じがした。
「次のショーまでの間、
店内清掃で一回外に出て次は何時から入場なんですか?」
「撮影タイムの時間制限は有るんですか?」
「サインは貰えるんですか?」
「内容確認してもらったら自分のカメラでもいいんですか?」
3.4人が受付で輪になり、
「分かりにくいんだよなあ。」
と口々に顔を見合わせては文句を言いながら、
お姉さんを問い詰めていた光景を見て、
「少しでも前の方で観たい気持ちは、
少しでも長く会話したい気持ちは、
分からんでもないとしても
そういうお客さんの存在が
応援している元AV女優の個人の評判まで落とすのに
何でそんなことも分からないんだろう。
ファンがそんなことしてたら本末転倒だろ?」
とお酒の勢いで気が大きくなり、
普段はそんなことを思いもしないが、
受付のお姉さんに
お客の立場を利用して
強く言い寄っている姿が見ていて
あまりにも腹立たしく、
思わず口から出そうになった。
大体、
誰だって少しでも得したいに決まってる。
損なんか誰もしたくない。
だけどそこにだけは固執したくない。
初めて来たくせにこんなことを言うのもなんだし、
人それぞれの楽しみ方があっていいと思うが、
もっと損得感情抜きで、
粋でいなせに嗜むのが本来のストリップショーじゃないのか。
ビートたけしの師匠であったフランス座の深見千三郎は、
ご飯を食べにいく際、
弟子のお会計を支払うのはもちろん、
必ずお店に祝儀(チップ)を用意していたらしく、
食事分のお金があっても
祝儀が出せない場合はお店に行かなかった。
さすがに
僕は並の人間なのでそこまでは無理だけど、
そういう粋な精神だけはどこかで持っていたい。
最後の撮影タイムでは
大トリに出ていた
元AV女優のところに
客席からロビーにまで続く
長蛇の列が出来ていて、
軽く見ても80人くらいは待っていた。
撮影料金は彼女だけ倍の1,000円だったが、
一切関係のない人気ぶり。
ただ 
「彼女にはおひねりも多いかな?」
と思ってオープンショーを見ていたが、
彼女にはなぜか一番少なかった。
この時点で
次の予定であるなんばグランド花月まで
もう一回くらいショーを観る時間は
十分にあったが、
一回見たら満足だったし、
ロビーにも次の公演を待つ人が増えていて
今客席にいる大半がこのまま居座ることを考えると
これ以上は入りきらない空気もあり、
他のお客さんに席を譲ろうと思った。
せっかく引退前に大阪まで来ているのだから、
少しでも多くの人が観れた方がいい。
そもそも手持ちもないので、
このまま居座られてもお店に得はない。
とりあえず残りの500円で
そのまま受付で記念に
今日出ていた踊り子さんたちが
全員並んでいる写真を一枚だけ買って帰ることにした。
東洋ショーからの帰り道、
UFJでお金を降ろし、
ふと寄った立ち喰いの寿司屋で
何気なくさっき買った写真を見てみると
あの薄暗いロビーでは分からなかったが、
信じられないくらい紙が粗雑で、
その上、
画質も荒く、
ピントも顔が誰で誰なのか
微妙に分からないくらい甘い写真で、
カウンター越しに出てきた寿司をつまみながら、
「なかなかやってくるねー。」
と1人くすりと笑えて僕にはちょうどよかった。
今はもう引退していないが、
グラビアアイドルの仲村みうが好きだった。
彼女との出会いは
10年くらい前に
ロマンポルシェ。・掟ポルシェさんのブログを見ていた時、
「最近、(仲村)みう嬢のブログがヤバイ」
的な記事を見かけたのが最初で、
その頃は誰か全く分からなかったが、
貼ってあったリンクから
何となく彼女のブログを見てみると
ブログ内で
「リクエストがあったらその写真撮って載せるので、
コメント欄にリクエスト下さい。」
と書いてあった。
「どうせ適当に見繕って、
やれそうなやつだけあげるんだろうな。」
と思っていたが、
次に更新されたブログから
本当にAV女優と見間違えるほどのアイドルとは思えないような
下着姿や入浴シーン、
谷間、股間、鎖骨のアップなどのフェチズム満載の
ギリギリな写真がブログに沢山載っていた。
おそらく当時彼女はまだ16.7歳くらいで
「え!?
この子、アイドルじゃないの?
なんでここまでするの!?
この人、何者!?」
という性的な衝動が人間的な疑問に変わり、
そこから彼女自身に興味を持った。
最初は正直そこまで可愛いと思っていなかったが、
気がついた頃には
東京であった
彼女のトークイベントに後輩を引き連れて行くほど、
彼女のことを追いかけていた。
彼女は頭が良かった。
どうしたら自分がよく相手に写るのか、
自分は何を求められているのか、
それがちゃんと分かっていた。
グラビアアイドルとして
性を売り物にしていたが、
自分が性を売り物にしていることへのプライドがあり、
嫌味な言い方かもしれないが、
お客さんからお金を引き出す
その引き出し方が上手だった。
そういうところも好きだった。
タレントでも実生活でも
お金を使わせるのが上手な女の子は
「別にこの子なら騙されてもいいか。」
と思えるから、
嫌な後味がなくていい。
20歳でヌード写真集とDVDを出して
引退をしてしまい、
今では彼女が何をしているのか分からない。
そんな中、
去年、
「彼女が名古屋の風俗店で働いていた」
というネットニュースを見た時は本当に驚いた。
まさか名古屋にいるなんて思ってもいなかった。
ただネットニュースになるので、
信ぴょう性は分からないし、
これは完全な憶測になるが、
彼女は宣伝用にお店に写真を売っただけで、
おそらく風俗店では働いていなかったんじゃないかと思う。
僕が思う彼女だったら、
おそらくもう少し頭のいいお金の稼ぎ方を知っているように思える
東洋ショーで僕がいた左側の席から
ちょうど踊り子さんたちが
ステージから
ステージ袖の衣装部屋にはけるところが見えていた。
踊りが終わるたびに
にっこりと頭を下げてお辞儀をした後、
客席から見えるところまでは
ゆっくり堂々と退場して行き、
客席から見えなくなると
急いでステージ袖に走り、
袖のカーテンをおもむろに閉めると
すぐに衣装を脱いで
次の新しい衣装に着替えている光景が
慌ただしく閉められた
薄いカーテンの隙間から
ぼんやりとずっと見えていた。
冷静に考えると
どうせ最後は裸になるんだし、
基本的にお客さんも裸を観に来ているんだし、
わざわざステージ袖で着替えなくても
ただずっと裸でいたらいいものを
ステージから見えないように
新しい衣装を
出来る限り早く着替えようとする彼女たちの姿。
あのカーテン越しに見えたものは、
裸を晒してお金を貰う人間から出る悲壮感ではなくて、
芸事として裸になる人間のプライドだった。
そうだよ、
ここにいる奴等全員から
もちろん俺からも
金をふんだくれるだけ、
ふんだくっちゃえばいいんだよ。
フランス座に興味があるとか、
粋だとかいなせだとか
人の行動を見て
「本末転倒だ」とか、
「僕は他の人に席を譲ろう」とか、
そんな偉そうな御託を並べたところで、
性的な好奇心で女の子を見てる男なんて
どの道、
全員カスなんだから、
そんな奴らからの金なんて
女の子を武器に
根こそぎ取れるだけ取ればいい。
それで楽屋で大笑いしてくれ。
「今日はしょっぱい客しかいないから、
おひねりが少ない。」って。
「アホな客が多いから、
今日はすげー儲かった。」って。
それでいいんだよ。
てかさ、
水着の仕事だって同じだったんじゃないか?
「性的な対象として見られるのが嫌だった。」
って、
「「こんなで喜ぶ奴はまじ最低。」 
って思われてんのに、
みんなして喜んで見てんだ。
バカじゃないの?」
って腹の底から笑って、
楽しんでやれば良かったのに。
仕事なんだからもっとクレバーになればいいよ。
てかそういうタイプじゃなかったの?
すげーサブカル感出して、
ツイッターとかやってなかった?
あれは20代女子特有の見せかけのサブカル感?
全ての性産業に従事する女たちよ、
ふんだくってバカにして、
ナメくさった奴らを全員損させてやれ。
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